フィーチャ株式会社 取締役CFO 立花 嵩大 様
決算短信から有価証券報告書まで、複数の書類を段階的な期日の中で仕上げていく必要がある、上場企業の決算・開示業務。これは経理部門だけで完結する業務ではなく、社内の関係部署や監査法人との確認のやりとりが短期間で並行して進むため、担当者にとって大きな負担となっています。
画像認識ソフトウェアの開発を手がける東証グロース上場のフィーチャ株式会社では、FormXを導入し、四半期ごとの開示書類の作成・提出に取り組んだ結果、こうした確認作業の負担を大幅に軽減。現在は月次決算の進捗管理などへ、活用の幅を広げています。
経理のメンバーはわずか2人という少人数の体制で決算・開示業務に向き合う同社取締役CFOの立花嵩大さんに、FormXをどう活用し、日々の業務が具体的にどのように変わったのかを聞きました。
──まずは立花さんのご担当の業務と、フィーチャの決算・開示業務の体制について教えてください。
立花:経理・財務、人事・総務、経営企画と、バックオフィス領域を幅広く管掌しています。当社は社員数50人ほどの規模なので、人手が足りない部分があれば私自身が実務に加わっています。
決算・開示業務でも責任者を務めています。フィーチャでは経理のチームが担当しているのですが、開示書類のドラフト作成や数値情報の集計はメンバーに任せつつ、私は書類全体に目を通して数値や記載内容のレビューを行っています。また、財務諸表の注記や経営成績の分析など、何をどう記載するか判断が必要な箇所については、私が内容を検討したうえで監査法人に確認し、役員に説明するところまで担っています。
立花:経理チームのメンバーは2人で、その他は派遣会社の方に来てもらったり、業務を外注したりして対応してきました。2020年6月の上場以降、2〜3人という体制は変わっていません。開示は期日が決まっているので、チャットツールや定例会議で進捗を共有しながら、メンバーに任せる部分と私が巻き取る部分を組み合わせて作業を進めています。
──FormXの導入前は、決算・開示業務をどのように進めていましたか。
立花:従来の開示書類作成システムは、上場準備の段階で導入して以来使い続けてきたものでした。開示前の時期にしか使わないシステムなので、四半期ごとにログインし直すところから作業が始まります。
開示書類の作成ですが、開示の1カ月半ほど前から決算の数値情報が不要な部分から着手し、1カ月前に情報が出揃ってから本格的な作業に入ります。2〜3週間前に最初のドラフトを仕上げ、そこから監査法人との確認に進むという段取りです。メンバーは日常の経理業務と並行して作業を進めることになります。
──従来の業務フローの中で、どのような点に課題を感じていたのでしょうか。
立花:大きく二つあります。一つは、システムの使い勝手です。四半期に一度しか使わないので毎回ログインに手間取るほか、画面を切り替えるたびに読み込みに時間がかかるといった状況でした。また編集画面はWordのUIに近いものの、細かな修正が意図どおりに反映されないこともあるなど、操作性に課題を感じていました。
もう一つは、修正の反映と過去の判断の履歴管理です。開示書類には、社内関係者や監査法人から何度も、指摘事項や修正依頼が入ります。修正後はPDFファイルに出力して関係者に送り、戻ってきたコメントを反映してはまた確認するという繰り返しで、修正が本当に全箇所に反映されているかを一つずつ潰していく負荷は大きいものでした。
また、開示書類を作成するにあたっての過去の判断の経緯、監査法人との確認事項など、記録は残していましたが、開示関連のフォルダやファイルを複数参照する必要があり、翌四半期以降の開示書類を作る際に効率的に活用しきれない場面がありました。
工程全体を管理する仕組みも整っていなかったため、少人数で対応しているからこそ、担当者ごとの知見をより組織的に蓄積・共有できる仕組みが必要だと感じていました。
──そうした課題がある中でFormXを知ったきっかけ、そこから導入を決めた経緯をお聞かせください。
立花:FormXの時田知典代表取締役と前職が一緒だったつながりから、サービスを作っているという話を聞いたのがきっかけです。ちょうど経理のメンバーが育休に入るタイミングでその後の体制について検討していた時期でもあり、課題を伝えたところ対応できるということだったので、まず試してみることにしました。実際に触ってみて、操作性で従来のシステムとの明確な違いを感じました。
チームのメンバーからは、マニュアルを読まなくても直感的に使えるという声をもらっています。「これを押せばこうなるよね」というのがわかりやすいそうで、導入時に使い方を教える手間はありませんでした。
導入当時はFormXにまだ実績がなかったため、従来から使用しているシステムと両方に同じ内容を入力し、FormX上から東証へ開示書類を提出するという対応をとってきました。結果的に問題なく業務を担えているので、来期からシステムの利用はFormXに一本化する予定です。
──現在、FormXを業務の中でどのように活用されていますか。
立花:FormXでは開示書類の目次をベースに、項目ごとに誰が担当するか、いつまでに仕上げるかを設定できます。その機能を使い、担当者が作業を終えると画面上のステータスが切り替わって、私のところに確認の依頼が上がってくるようにしています。根拠となる資料もアップロードできるので、「こういう計算をした結果、この数値になりました」という情報が項目に紐づいて残ります。
過去の判断の経緯を記録する場面でも使っています。FormXでは、「前回、監査法人からこういう指摘があったので、次回もこの書き方にする」や「この論点については検討した結果、こう判断した」といった情報をコメントとして書き残せます。情報が一箇所に集約されるので、確認のために散在するファイルを逐一開くといった作業がなくなりました。
立花:月次の決算でも活用しています。「何をいつまでに誰がやるか」をチェックリストとして設定し、工程を管理しています。以前はExcelファイルを使って管理していましたが、今はFormX上で担当者と期日が紐づいているので、私はそこを見れば誰がどこまで作業を終えているかを把握できます。その結果、以前は開示書類を作るときだけ開いていたシステムが、日常的に利用するものになりました。
加えて当社では、監査法人の担当者がFormXにログインできる環境を用意しました。この体制が本格的に稼働し始めれば、修正のたびにPDFファイルを出力して送るという手間がなく、担当者の方に直接画面上で書類を確認し、フィードバックをもらえるようになると考えています。
──FormXの導入後、決算・開示業務の進め方はどう変わりましたか。
立花:いちばん変わったのは、経理のメンバーに作業の状況を都度聞かなくてよくなったことです。以前は誰がどの項目をどこまで進めているか、チャットツールや会議の場で一つひとつ確認していました。しかし今は、FormXを開けば担当者、期日、進捗がまとまっているので、本当に必要なコミュニケーションだけで済むようになりました。
全体の作業時間も、2割ほど減っていると感じています。以前であれば、作成中の開示書類のPDFファイルを並べて、修正内容を確認する作業に時間を要していました。FormXを使えば修正の履歴が一元的に確認できるので、作業が減った分、開示の内容を吟味する時間が増えました。開示書類は正確な情報を記載することが求められるので、中身の検討にリソースをまわせるようになったのは大きいです。
──FormXではツールの提供と合わせて、専門のエキスパートチームが導入企業様の業務をご支援しています。御社では、どのように専属の担当者と業務を進めていらっしゃいますか。
立花:FormXの担当者の方々とは、週次で定例ミーティングを行っています。開示の日が近づいてくると、例えば決算日後に開示内容に影響するような出来事が起きたときに「これは開示すべきか」「どう記載するか」といった相談をしますし、開示期以外でも、会社に何か動きがあったときに、会計上どう処理すべきか、開示書類にどう反映するかを話し合っています。
立花:FormXには事例検索の機能があるので、同じ論点を他社が開示書類へどう記載しているか、自分たちでも調べることができます。一方でさらに詳しく事例を知りたい場合、専属の担当者の方が公認会計士なのですぐに調べてもらえますし、「こういう書き方のほうがいい」と専門家の視点から具体的に助言をもらえます。その点はとても助かっています。
導入してから1年ほど経ちますが、通年でコミュニケーションを取り続けてきたので、担当者の方々にはフィーチャという会社のことをよくわかってもらえている感覚があります。会計処理一つとっても、過去のやりとりや経緯を踏まえて検討してもらえます。ツールの使い方のサポートだけでなく、業務そのものに伴走してもらっている実感がありますね。
──FormXを今後、どのように活用していきたいとお考えでしょうか。
立花:四半期ごとに決算・開示関連のデータがFormX上に蓄積されてきているので、その活用を考え始めています。一つ挙げると、FormXには増減分析の結果をAIによって生成する機能があるのですが、最近使い始めました。私自身、分析にはいつも時間を要しているので、ドラフトがあるだけでも検討の起点になりますし、便利だと感じています。
もう少し先の話で言うと、法定の開示業務にとどまらない使い方ができればと思っています。例えば経営会議や取締役会、IR向けの資料を、FormX上のデータをもとに自動生成するといったことが考えられるのではないでしょうか。蓄積されているのは実際に世の中に開示した数値で、これは社内の管理会計とは異なる切り口の情報です。投資家の方々に対しては開示済みの情報が「お話しできる内容」の基準になりますから、その数値を必要なかたちで取り出せるようになれば、より使い道が広がると思います。
人間がやらなくていい作業がもっとAIで自動化されて、人がやるのは最終的な判断だけになっていくといいですね。FormXの皆さんとプロダクトのさらなる活用も含め、日々の業務改善を一緒に進めていけたらと思います。
私たちは一緒に働くメンバーを探しています。私たちと一緒に、新たな領域を加速するためのギアをつくっていきましょう!